「多分、気づかないのは美紅ぐらいでしょ？ あんな分かりやすい奴、いないって」
そう言われて視線を落とす。
それって……わたし、孝橋にすっごく悪いことしてるんだよね？
確かにあの時はお兄ちゃんのことしか見えてなかった。
どれだけ孝橋がわたしを好きだってアピールしてたのかは分からない。
でも……柚奈も分かるくらいなんだから、相当なのかも。
そう思うと、全く気づこうともしなかった自分が恥ずかしいし、申し訳ない。
「まぁ、それは、孝橋も気づいてたみたいだけど？ だから告白したんじゃない？」
「…………」
「美紅はさ、臆病になりすぎなんだよ。まぁ、原田先生が初恋だから分かんないかもしれないけど……もうちょっと自信持ったら？」
柚奈がわたしの肩をポンと叩いて笑顔になる。
