「もったいない……原田先生だって、美紅のこと、好きかもしんないじゃん!」 「それはない!」 それだけはない。 だって、遼には彼女がいるんだよ? それに、遼にはわたしよりも大切な人はたくさんいる。 家族にさつきに彼女に……その中に入り込めるほどわたしの存在は大きくない。 「何かさ、いつまでたっても自覚ないねー美紅は」 「……どういう意味よ?」 柚奈がわたしのホッペを突っつく。 「美紅ってさ、自分がモテるって自覚ないでしょ?」 モテる? 柚奈、何言っちゃってんの?