「どうした?」 「うん……ちょっと……いい?」 わたしは廊下に出て遼の方を向く。 さすがに職員室の中では気まずい。 「あの……実習……お疲れ様……」 「お、ありがとう」 遼が驚いた表情でわたしを見る。 きっと、わたしのこんな行動は予想外だったと思う。 「えーっと……」 「あ、そうだ、ありがとうな」 「え?」 「さつきのこと。あいつ、ちゃんと話を聞いてくれたよ」 うれしそうにそう言う遼を見て、少しホッとする。