「ちょっ……何すんのよ!」 反射的に足を止めて、掴まれた手を振り下げた。 見上げなきゃいけないくらい大きな身長には似合わない小さな顔。 お兄ちゃんに似たストレートな髪が揺れる。 振りほどけないほど力強く掴まれた大きな手に焦りすら覚える。 「……何やってんの?」 「何って、二人の邪魔……」 「やめてくんない? そういうの」 遼が睨むようにわたしを見下ろす。