二人とも譲ることなく睨み合う。 本当に……さつきが好きなんだ……。 それを感じ取れてしまうこの空間。 さつきが好きだからこんなに感情をぶつけ合える。 本当に彼女のことを思ってるから……。 「彼氏なんだったら大切にしてやれよ」 「オレは十分大切にしてるよ! だからこそ……」 「兄貴なんかより彼氏のほうが大事だろ?」 「それは違うよ!」 わたしが声を上げていた。 二人がこっちを向いて目を丸くしていた。