「美紅?」 遼じゃない声が聞こえで肩が飛び上がる。 少し顔を上げると、そこにはお兄ちゃんが立っていた。 「お兄ちゃん……」 その声で遼も顔を上げて振り向くと、お兄ちゃんの表情が変わる。 わたしと遼もパッと離れた。 「何……してんだよ……」 「いや、これは……」 「美紅に何してんだよ!」 お兄ちゃんが遼の胸倉を掴む。 「ちょっ……お兄ちゃん!」 今にも殴りかかりそうなお兄ちゃんを止める。