「おはよ。昨日はさつきが悪かったな……」 「……いえ、あ、さつきならもう、行きましたよ?」 お兄ちゃんと! って付け足してやろうと思ってやめといた。 「うん、朝、さつきから電話があったよ。何かよくしてもらったみたいで……ありがとな」 わたしは軽くうなずいて前を向く。 早く学校につかない? 次第に大きくなる心臓に気持ちが焦る。 「……あのさ、今日……ヒマ?」 「え?」 思わず遼を見てしまうと、少し疲れきった顔が目に写る。 多分、両親の離婚のことで遼だって悩んでるに違いない。