朝からこいつとやりあってるヒマはないっつーの。 仕方がないからキッチンに向かってご飯を食べてると、お兄ちゃんとさつきは元気に二人で登校して行った。 「……元気じゃん……」 思わずため息が零れる。 昨日のあのしょげた顔は何だったの? 何度も何度も泣きそうな顔と挑発を繰り返してさ。 本当、昨日はさつきにやられたよ……。 寝不足どころか、ほとんど寝れてないっつーの。 眠い目をこすりながら登校するわたしに声をかけてきたのは遼だった。 校門までの長い道のりはまだ始まったばかり。