てか……何でわたしが睨まれなきゃいけないわけ? そもそもさ……。 「わたしのお兄ちゃんを取ったの、あんたじゃない! 返せとか、物みたいに言わないで!」 失礼極まりないよ! 「違う。わたしから智くんをとったのは美紅ちゃんだよ! それにお兄ちゃんだって……」 「遼はわたしの物じゃない。遼には彼女が……いる……」 そう、言葉を発してまた、胸がズキズキ痛む。 遼に彼女がいる……その言葉だけでも傷は癒えない。 「彼女? そんなの……」 さつきがそう言いかけたらわたしの携帯が鳴った。