コンコン……。 ベットの上で転がっていたら、ドアが開いた。 「美紅? 突然ごめんな、さつきのこと、頼むわ……」 お兄ちゃんが顔を出して、さつきが入ってきた。 「ごめんね……」 はにかむ様に笑うさつきにため息が零れる。 お兄ちゃんが頼みに来るのは筋違いのような気がする。 ……でも、お兄ちゃんに頼まれちゃ、仕方ないか……。 一夜限りの辛抱だ。 そう、自分に言い聞かせて起き上がる。 「……どうぞ」 「ありがとな、美紅」 そう、笑顔でドアを閉めるお兄ちゃんに笑顔を返して、再びため息が出た。