「あ、あんた、ちょっとぐらいは部屋の掃除しなさいよ!」
「は? 部屋に入ったの? もーいない時は入らないでって言ってるでしょ!」
何回言ってもお母さんはそんなのお構いなしに部屋に入る。
別に見られていけないものがあるわけじゃない。
ただ、自分のおき場所にその物がないと、探さなきゃいけないわけで……それがめんどくさい。
部屋の掃除をしてもらえるのはありがたいんだけどね……。
「しょうがないじゃない、今日は。さつきちゃんのお布団ひいてあるから……」
「は? ちょっと待って! 何? さつきの布団って……」
ちょっ……どうなってんの?
「今日、さつきちゃん、うちに泊まることになってね……」
「はぁ? 何で?」
「まぁ、それは、いろいろ事情があるのよ」
「何、事情って……」
わたしはそれが聞きたいんだってば!

