悔しいけど、遼にはあんなキレイな女の人がお似合いだと思う。 ズキズキと痛む心臓に涙がこぼれる。 もちろん、遼は追いかけてきてくれることもなくて……。 そんな小さな期待をしている自分にも胸が痛む。 わたしはバカだ。 こんなに気合を入れて楽しみにしてたことを今更気づく。 本当は今日がすごく楽しみだった。 遼と一緒に出かけられるのが楽しみだったんだ。 いつもと違う自分を見せたくて少し背伸びした化粧も服装も、少しでも遼にかわいいなんて思ってもらいたかったから。 遼に近づきたかったから――。