「でも、美紅がミュージカル好きだなんて意外だった」 ……それはこっちのセリフだし。 「他にはどんなのを……」 「遼?」 遼の言葉をさえぎった甘い声。 わたしと遼が見上げた先には、背の高い女の人が立っていた。 誰? 「菜緒!」 そう立ち上がったのは遼だった。 「な、何してんだよ!」 「何って、遼こそ……」 そう、チラっとわたしを見る女の人。 ストレートの長い髪が揺れる。 気持ち、にらまれてる気がするのは気のせい?