絶対に計画的犯行だ!


あの女……会ったら二度とお兄ちゃんの前に姿を現わせないようにしてやる!





午後1時。


わたしは駅前で一人、遼を待っていた。


あの日、さつきがチケットを譲ってくれるっていうから、先にチケットをくれるとばかり思っていたわたし。


それが、翌日になっても1週間たっても持ってこない。


痺れを切らして聞きにいくと、忘れたとのこと。


前日には姿さえ捕まらなくて……
今日の朝、お兄ちゃんから受け取ったさつきの手紙には、渡せなくてごめんねと、遼の携帯の番号が書かれていた。



ったく、ありえねーっつーの!


何考えてんだ、あの女……。



こっそり行ってこっそり帰ってこようと思ったのにそんなわたしの計画は丸つぶれ。


まるで、待ち合わせてデートするかのような雰囲気もわたしには気が重い。