女子高生にキャーキャー言われて鼻の下を伸ばしてるような男と……って思うと寒気がする。
でも……やめるわけにもいかない……。
あれ? でも――…。
「あの、それって、本当にわたしが行ってもいいの?」
「え? 別にいいけど?」
そう笑うさつきを見て、首を傾げる。
多分、多分だよ?
わたしが思うに……遼はさつきと行きたくてチケットを取ったんだと思うんだ。
だって、あいつ、相当なシスコンだもん。
遼は本当にミュージカルが好きなのかもしれない。
でも、本当に好きなら一人で行くはずだもん。
それをわざわざあんまり好きじゃないさつきを誘って行こうとするなんて……わたしが行っちゃダメでしょ?

