まるで、手のひらを返したように都合がよすぎる。
本当、呆れるよ……。
でも……。
「わたし、用事が出来て行けなくなっちゃったんだよね……美紅ちゃん、行く?」
「……行く」
緩みそうになる口をギュッとかみ締めた。
本当は大声で叫びたい。
だって、本当に行きたくて行きたくて探してたチケットだったから。
ノドから手が出るほど欲しい。
でも、譲ってくれるのはあのさつき。
うれしくても、感情をむき出しになんてできない。
「良かったー来週の日曜なんだけど、智くんと約束しちゃってたんだよね」
「はぁ?」
メニュー