「何て、意地悪な質問だよね。だから余計に嫌われちゃうのかな……」
少し淋しそうな表情を浮かべるさつき。
何でか分からないけど、いつもと違う気がしてじっと見つめる。
「……何か、あったんですか?」
保健室で会ったのは偶然だ。
でも、ここまで連れてこられて、わたしと話がしたいって……普通じゃないでしょ?
もしかして、お兄ちゃんと何か……。
「ん? 何もないよ? というか、美紅ちゃんってミュージカル好きなんだよね?」
「は?」
何で今、その話?
わたしのうれしいはずの予感が崩れ落ちる。
つーか、何でそんなこと、知ってんの?

