……一応、立ち入り禁止なんですけど?


屋上に上がる階段にそう張られた紙を気に留めることなく連れてこられたわたし。


これ、バレたら相当怒られない?



意外と小心者のわたしにさつきはそんなそぶりも見せずに両手を広げた。



「あーやっぱり屋上は気持ちいいよねー」


フェンスにもたれかかって空を見上げるさつき。


……意外とつわものかも。


そう思うと何だか笑えてきた。



「何笑ってんのよ。そうだ。美紅ちゃん、ここに来たことは誰にも内緒だからね?」



そう、真剣に言うさつきがまた、おもしろい。



「てか、バレたらまずいんだから、言わないよ」