「話を聞けって」 それでも男の力に敵う筈がなく、直ぐにもう一度さっきよりもしっかりと捉まれた。 悔しくて、涙が出そうになったが、堪える。 例えどんなに嫌でもコイツの為に流す涙なんて勿体無い。 ―捉まれた腕が、痛くても。 私はぎゅっと目を瞑った。 その時。 「手を」 「放してくれませんか?」 勝手に耳がインプットしてしまった第三者の声が、静かに届いた。