校内に人が少しずつ増え、

いつの間にかにぎやかになっていた。

「七瀬おはよっ!」

後ろから言ってきたのは、

「おはよう、麗香。」

【桐谷 麗香】だ。

長い髪をひとつに束ね

頭の上の方で結んでいる。

「聞いてよ七瀬、昨日家帰ったらコギブリが出てさー...」

こんなどうでもいいような話を毎日私にしてくれた。

いつの間にか仲良くなっていた。

麗香は運動神経抜群でルックスもいい。

学校内でも上位にはいるほどの美人だ。

だからものすごくモテる。

「にしても、今日は寒いねー」

そう言って麗香は手を擦って暖める。

「帰りにカフェ行ってコーヒー飲みに行こう!」

多分、麗香の脳内ではもうコーヒーの事で頭がいっぱいだ。