「オレにとっての月はキミだった。ユシアが、オレの書いた物語を好きだといってくれたから――どうせ書くなら、ユシアが喜んでくれる物語がいい。……手伝ってくれる、かな?」



少女は笑顔でうなずきました。



(きれいなひとがかいた、きれいな物語。わたしの、月はあなただったわ)



青年と少女は静かに月をながめます。



これは月の記憶。