サクラの花びらをつけた青年が荷物をたくさんかかえて、いつの間にか立っていました。



「はいお土産」



手渡されたのはスノードロップのブーケと、ウサギのぬいぐるみ――。



「オレが作ったから、変だけど。キミのために作ったよユシア」

「……ボロボロじゃない。不器用ね、ツキシロは。ありがとう……」

「………ユシア、言葉を見つけたんだね」



お互い泣き笑いの表情を浮かべて。


これは都合のいい幸せな幻想なのかもしれない。たとえそうなのだとしても、何度だって探せばいい。迷ったらーー今度は、一緒に。



それから手をつないで、始まりの場所へ。