月が記憶する世界の一片に、忘れられない少女がいました。



名前はユシア。



夜より深い黒髪は腰まで届き、瞳は藍色。



淡い月の光が差し込む窓辺、机の上にスケッチブックを広げ、色鉛筆を散りばめて。