青年が旅立ってからも、少女はスケッチブックに青年とロアを描き続けました。



ほの暗い部屋の微かな明かりの中で。



絵本を何回も読み返し、青年との思い出の場所である公園にも何度も足を運びーー言葉を、青年との記憶(おもいで)の中で探し続けました。



ーー自分のために。



そして何よりも、言葉を望んでくれた青年のために。