幻想月夜

 この日少女は夢をみました。



 魔法使いの少年ではなく、ロアをつれた青年と、広い世界をどこまでもどこまでも旅する夢を。



(――ねぇツキシロ。私も言葉を探すわ、あなたが気づかせてくれた……望まなきゃ、何も始まらないって)



 そしてこの日、はじめてロア以外の絵を描きました。



 白いリボンをリュックサックに結んだ、キンモクセイの中で笑う青年を。