そして青年は夜空を見上げながら、静かにいいました。 「オレ、また旅にでるんだ長い旅に。今度は花が降る世界へ。スノードロップっていう花が空から降るんだ。その花をプレゼントするよ」 (……約束ねツキシロ。楽しみにしてるから) 青年と少女を見守るように、今日も月は優しく世界を、二人を照らします。 青年と交わしたはじめての約束。 少女はさみしさを覚えながらも今から約束を心待ちにします――。