ばいばーい、とひらひら手を振って、一目散に駆けていく日比谷。 「なッ」 慌てておいかけるけど、もうかなりの距離があって追いつくことは難しくなっていた。 なんだよ、今の。 本当掴めない奴。 あれが本当なのか、嘘なのかもわからない。付き合いの浅い俺だから、かもしれないけど。 そもそも俺は、月花に“恋”してんのか? ――…分からない。 でも、こんな身体で、心で、誰かを愛したいとは、思えないから。