「月、花………?」 やっと正気(?)に戻った矢吹。 「私はだいじょうぶだから。な、落ち着いて?」 顔面蒼白で私の傷と瞳を交互に見る矢吹。 その震える手を握って落ち着かせようとした。 「月花、俺、あ、頬に……傷がッ……!」 「全然痛くないって!早く逃げよ」 珍しく狼狽えている矢吹の手を引いて倉庫から飛び出した。 赤髪先輩の怒号とか、バットを打ち付ける音とか聞こえたけど聞こえないふりをした。 「オレンジ先輩ありがとおおおッ」 『俺は神田だよーん』 遠くでのんきな声がした。