もう帰って今日は休んでしまおうか?

そう思い駅に向かっていた足を何となく思い浮かんだBARに行き先を変更して歩き出した。

初めから其処にある事が分かっていないと見落としてしまいそうな小さな看板

地下への階段をゆっくり下ってBARの扉を開ける。

まだ早い時間だからか?

BARにはテーブル席に二組の客とカウンター席に男性客が一人居るだけだった。

男性から離れたカウンターの席につくと「久しぶりだね…最近仕事が忙しいの?」マスターからそう声を掛けられた。

「お久しぶりです…そうですね、忙しかったかも…」って返事をした。

「今日は何にする?」って聞かれたので、体調があまり良くないからアルコールの弱いカクテルを作って欲しいとお願いする。

注文を終えたところでスマホが鳴り出した。

着信は亨

「何も今日じゃなくてもいいじゃない」思わず小さく呟いていた。

…まぁー悪い事は重なるものか?

覚悟を決めて店の外へと向かう。