ガチャ

…予想通り見た目が変わって本来の悠志のほうになってる
夢ちゃんは少し安心したのか俺から手を離した
少し寂しい気もするがさっきの恐怖に歪んだ表情が消えたのでよしとする

「…ゆ…松杳さ…悠志さん?どっち?」

少し不機嫌な声で小宮神士が帰ってきた松杳?悠志?に話かける
確かに俺もどっちで呼ぶかわからねぇがよく考えたら
そもそも俺はあいつ呼ぶことねぇや

「どっちでもいい…龍はいつ来るんだ?」
「知らないよ」
例のすこし頬をふくらませるあざとい動作
さっきよりは多少落ち着いた…のか?
「だいたい色くんですら
なんで龍さんが僕をここに呼んだのか知らなかったし
来るのかも怪しい…」
「第一、悠志さん僕が来るのも龍さんが来るのも知らなかったみたいだよね?」

確かにそうだ、龍…何考えてんだ?

「知らなかったな。…龍のことだ急に呼び出さなくちゃならない理由でもできたんだろ。だから要件は伝えられなかっただけだろ。」

…相変わらず弟に甘い
俺には普通に忘れてたとしか思えねぇけどな

「あっまいなぁ…僕は龍さんが普通に忘れてたとしか思えませんけどー」
「ない、それはない。」

…なんていうか小宮神士と同じ考えだったのはいいとして
本当に甘いなこいつ。