すると、その男の頬を爪でひっかいてしまった。



男は、ひっかかれた場所をさすって、



「ってぇな!このくそアマがぁ!」



男が手を振り上げた、その時。



「っきゃ!」


私は誰かに引っ張られた。


恐る恐る振り返る。



そこにいたのはーーーー





「俺だよ。おーれ」



見慣れた茶髪に、ピアスをじゃらじゃらとつけた、そう。



ーーーーーー早川翔登だった。