このときの私は、 ただ認めたくなかっただけかもしれない。 素敵…ではないけれど、 『男』を考えると、いつも彼の顔が浮かぶことを 私は気付いていた。 でもそれを認めたくなかった。 あんなことが…あったから。 彼が『男』だということを改めて思い知らされたから。 お兄ちゃんが言っていた『男』の中に、 彼もいたということを――――…