冷静な風太は、いまはじまった事じゃないんだろ一けど。
「いや、いや、これ見て普通は驚くんじゃないの!?こんな所にドラゴンが居る訳ないじゃん!」
「祐汰、落ち着け。それは本物のドラゴンではなく俺が作り上げた式神。」
「へ?」
「随分、祐汰に懐いているようだ。」
「え?」
「リリって名前何だ、嫌じゃなければリリを祐汰にあげるよ。」
「え?え?こいつ僕に?」
「ああ。 」
「きゅるぴゅあぁあ一!」
「悪いが、ゆっくりもさせてあげられないんだ。目を覚ましたばかりですまないが…いまから連れて行く場所が有る。」
「え?何処に行くの?」
「来ればわかる、そこに蒼空も居る。」
「蒼空が!?」
「ああ、先に行ってもらった。いまから俺達もそこに行く。そこで、説明をする。」
「う、うん…」
風太は、僕を蒼空もいるその場所へと連れて行く。
向かう途中、やたら視界に入る、羽根を羽ばたかせ、パタパタと僕の周りで飛び回るリリ。
「きゅるぴゅあぁあ一!きゅるきゅるぴゃああ一!」
ちょんと僕の肩に乗りかかるリリ。
間近でよ一く見ると本物のドラゴンみたいで。
目をくりくりして僕を見詰めるリリ。
何だか、可愛い。
「宜しくリリ。僕は、祐汰。」
「きゅるぴゅあぁあ一!」
すりすりと僕の頬をすすりながら喜ぶ姿を見せるリリ。
懐かれたのかな、僕。
「着いたぞ、祐汰。」
「ここ?」
「ああ、そうだ。入るぞ?」
「うん!」
ごくりと息をのんだ。
急に、不安が胸を過ぎる。
息を吸って、吐いて気持ちを楽にさせる。
風太は、襖を引く。
「失礼します、祐汰を連れてきました。」
「そうか、入れ。」
「はい。」
居間の中から、男の声が聞こえた。
その人の前だと風太は、まるでがたりと態度を変え、身を引き締める。
そして僕は、風太に誘導されるまま恐る恐る中へと足を踏み入れる。
