「誰が!そこに居るのはわかってんだよ!姿を現せ!」
蒼空は、ベランダの方に向かってそう話し掛ける。
僕は、ベランダの方を見るけれどそこには誰の姿も無く。
「蒼空、誰も居ないけど。」
「いや、居る。」
蒼空は、怖い表情でベランダの方をずっと見詰める。
「何だ、詰まらねぇ一な。もうちょい様子見ようかと思ってたのによ。」
「えっ…!?」
ベランダの方から、姿は見えないのに男子の声が蒼空も僕も確かに聞こえた
。
「気配を消していたのに。俺の気配を見抜くとは、さすがだな?」
ベランダの窓の前に立つ1人男。
さっきまでは、そこには居なかったはずなのにいつの間にかそこに立って居た。
黒い衣服を身にまとい金色の目と髪ををしたその男。
僕は、その男を目にし…
何だか、嫌な気配を感じた。
とても、邪悪な…気配を…
「お前、誰何だよ!どうやって家の中に入ったんだよ!」
「俺は、魔の神に従えしジンニ一。式神だ。お前、呪われた呪縛を背負う神の者。ゼレフ·ロア、我が王を迎えに来た。」
「はっ?俺が?お前、何言ってやがんだよ!笑わせるんじゃ一ねぇよ!」
蒼空が、呪われた神?
ゼレフ·ロア?
この男の人は何を…言ってるんだ?
頭が、混乱してきた。
「お前の後ろに居るそいつは…」
「え!?僕?」
「お前…姫神の巫女者だな。ここで会うとは必然か…」
姫神の巫女?僕が?
「祐汰、俺の後ろに居ろ。」
「蒼空?」
「何だか、しらね一んだけど嫌な感じがするんだ。」
「蒼空も?実は…僕も嫌な感じがするんださっきから。」
でも、嫌な感じって言っても、具体的な何かまではわからない─…
とりあえず感じるってだけで。
「おい、お前!さっきから意味不明な発言しか言ってないようだけど出てってもらわないと警察呼ぶぞ!」
「警察?あはははははっ、呼べるもんならよんでみなよ?」
「………っ!」
嫌な空気から、ピリッとした威圧感のようなものがこっちまで流れ込んできた。
足元をすり抜いていく感じがして。
ピリピリした、はりつめた空気、冷たくどんよりした禍々しい渦のようなものが、その男から感じる。
きっ…きもち…わる……い。
駄目だ、いきなり気分が悪くなった。
その場に座り込む僕に気付く蒼空。
「…うっ。」
「おい、どうした祐汰?」
「わか…んな。急に、気分が悪く…」
喋るのですらやっとな僕。
「祐汰、しっかりしろ!どうしたんだよ!」
「…………っ。」
足に、力が入らなくなってしまい体がふらつく僕の体を蒼空は支える。
そして、僕の顔を心配そうに見詰める。
「祐汰!」
蒼空が、僕の名前をよぶ声が聞こえる。
けど、声が出ない。
意識が朦朧としだす。
蒼空の顔が、ぼやける。
