突っ立ってる奴に声をかける。 反応がない。 バイクを降りて目の前に立つ そいつは思ってたよりもずっと小さくて 女だ見たところ身長は145cmぐらいだろう。 顔は身長に似合わず大人っぽく俺と同じぐらいに見える。 華奢な肩は小刻みに震えている。 なんとなくヤバイ気がして声をかける、 さっきよりも優しい声色で。 「おい、大丈夫か?」 「……で、… 何で轢いてくれなかったの!!」 大きい目に涙をためて女は俺にそう言った。