「・・・ね、瞬。手術ね、遠くでするの。」 「どこ?」 「日本の、北か南。」 「ちゃんと教えろよ。お見舞いいけねえだろ。」 「…瞬。」 あたしは瞬の手のひらを握った。 大好きな、優しい手。 あたしを何度も撫でてくれて、抱きしめてくれた。 瞬を見上げたら、涙が落ちた。 「・・・ちゃんと移植、するから・・・。」 あたしは瞬の手を離した。 「だから・・・。その前に、別れてほしい・・。」