真っ赤なマフラーを巻いて、片手だけ手袋。もう片手は瞬とつないで、あたしは瞬を見上げる。


「ちとせ今日顔色いいじゃん。


「へへっ。」


仁奈ちゃんがくれたピンクのリップの効果かな。

それとも、心が元気だからかな。



前より歩く速度はおちたし、すぐに息があがるけど、瞬はのんびりあたしに合わせてくれた。


赤い鳥居をくぐって、神社の境内を歩く。


「大丈夫か?」



「うん。病院であんまり動かなかったから、体力おちちゃったかなぁ。」



「徐々に慣れるだろ。俺も怪我で入院した時やばかった。リハビリ痛えしな。」



「えぇ・・。なんで怪我したの?」



「バスケの試合で。」


「そんなに危ないんだ・・。」



「あの時はたまたまだよ。危なくねえから観に来いよ。一番いい場所とっとくから。」



にっと口角をあげて、瞬の可愛い笑顔があたしにむけられる。



頷いてはにかむと、瞬はあたしの頭を優しく撫でた。



ようやくたどり着いて、お参り。