「ごめんな。でも、会社のためだ。お願いだよ。」
そこまで言われたら‥
「わかったよぉ‥」
「おぉ!よかった!ありがとう!じゃあ、GW、楽しんでこいよ!」
ガチャ
ツー、ツー
あ、切れた‥
お父さんてば、強引なんだから‥
でも、結城になんて言おう‥
男の子の家に泊まるなんて言ったら、びっくりするよね?
しかも今、気まずいし‥
と、その時。
結城が帰ってくる音がした。
「結城っ、おかえりなさい。」
玄関まで出迎えに行く。
「お嬢様、お帰りでしたか。今、紅茶を淹れますね。」
口調は優しい‥けど、目は合わせてくれない。
やっぱり結城に本当のことは言えない。
「私、今度のGW、女の子の友達の家に泊まるね。」
私は、結城に嘘をついてしまった。