「結城は、気がきくし、優しいよ。いつも私によくしてくれて‥でもそれは執事だからなんだよなって思ったら、少し寂しくて‥」


顔をあげられない。
結城と目を合わせられない。

私がこんなこと言って、結城、絶対困ってる。
嫌われちゃっただろうか‥




「執事だから、じゃありません。」

「えっ?」

「お嬢様のことを大切に想うから、優しくするし、お嬢様のために身を尽くそうと思えるのです。」

「結城‥」

「だから、泣かないで。」

そう言うと、結城は私の頬に手を伸ばし、優しく涙をぬぐった。
そんなことにさえ、ドキドキしてしまう。



「変なこと言って、ごめん‥」

「いいんですよ。」
そう言って結城はニコっとわらった。