私はソファに座って、彼が淹れてくれた紅茶をすする。
その間にも、彼は新居の掃除を手早く行っている。

彼の名前は結城 海斗。
23才で超優秀な執事らしい。


今わかっているのはこれだけ…


「結城さんっ、やっぱり私も手伝います…」
私がそう言うと彼はニコッと笑って言う。

「いえ、お嬢様の手を借りるほどのことではありません。それより、お嬢様はお部屋に戻って少しお休みになってください。新しい家では、あまりくつろげないかもしれませんが…」


「…じゃあ、そうします。ありがとう。」

私が自分の部屋に戻ろうとしたその時。


「あ、お嬢様。」

「はい…?」

「私のことは呼び捨てで結構ですよ。執事ですから。」