と、その時。
「さくら。行こう。」
百合ちゃんが私を引っ張って歩きだした。
「えっ?どうしたの?」
「いいから。」
パーティー会場の隅まできたところで立ち止まる。
「百合ちゃん?」
「あれ、S4って呼ばれてる人たちだよ。」
「S4?」
「家柄、容姿、成績、全部がSレベル、つまり飛び抜けている人たちってこと。女子からはすごい人気らしいけど。」
「そうなんだ‥で、なんで逃げてきたの?」
「私、ああいうの大嫌い。」
あぁ‥そっか。
百合ちゃんはなぜかああいうの嫌うんだよな。
「でも、いーくんはいい人だよ?」
「西園寺くんはそうかもしれない。でも、他の人たちはなんか‥苦手。全部自分たちのしたいようにやって、お金持ちで容姿がいいからって威張って‥」
「百合ちゃん?」
「あ‥ごめん。」
百合ちゃんはお金とか権力とか、そういうのを振りかざす人を、嫌う。
私だってそういうのは好きじゃない。
けど‥百合ちゃんのはなんかちょっと違う。
本当に憎んでるっていうか‥
昔何かあったのだろうか‥


