「えっ‥結城?」


「私もすごく焦ったんですから。」

「?」

「相手は立派な会社の社長です。なんていってお嬢様から引き離そうかと‥でも一刻も早くお嬢様を助けたかったんです。他の男に手を握らせたままなんて、我慢できなかった‥」


「結城‥」


と、その時。

「さくらー、いるかー?」
遠くから聞こえるお父さんの声。

パッと私から離れる結城。

「‥お父様も探しています。戻りましょうか。」

私が彼を見つめると
結城はいつもの笑顔に戻っていたのだった。