「キス、して欲しかったですか?」


「っ…もう!ばか!」

結城はそんな私をみてクスクス笑う。

こんな超失礼な執事のどこが優秀だ!!
お父さんの嘘つき!


「あ、そうだ。お嬢様、明日の晩は、城野財閥が加入する日本経済グループの会合に参加するよう、お父様からの御達しがありました。」

「会合!?」


「えぇ。」

会合って…
社長とかえらい人とかが集まってご飯食べたりするやつだよね…
途端に不安になる。

「大丈夫です。わたくしもご一緒させていただきます。」
そう言って笑う結城に少しどきっとする。
さっきまで超失礼な執事だったのに、これだ。
ほんとにずるい。

けど、結城のおかげで、不安も少しなくなり、その晩はよく眠れた。