「昔、城野さんと何回か遊んだことがあって…」
「そうなんですか?」
「昔っていってもほんとに昔で。小学生にあがるかあがらないかの頃なんだけど。大人たちの退屈なパーティーに付き合わされてさぁ…俺たち子供はすっごい暇でつまんなくて、でも城野さんと遊んでる時は楽しくて…」
「…あ。」
「おもいだした?」
「いーくん?」
私がそう言えば、彼は笑顔になる。
「そう。よかったぁ…覚えてた。俺の父親と城野さんのお父さん、昔からの親友らしいんだけど、父親つながりで、城野さんが高校からうちの学校くるってきいて…待ってたんだ。」
「そっかぁ…ってか、城野さんだなんて、いいのに。前みたいに名前でいいって。」
「えと、じゃあ、さくらちゃん?」
彼は少し恥ずかしそうにそう言う。
「うん。」
私も頷く。


