たまたま仲良くなって
たまたまクラスも一緒だった

一緒のクラスでほんとよかったぁ…
そう思いながら隣に座る彼女を見る。


彼女の名前は、
佐伯 百合。

名前にぴったりの可愛い子だ。


入学式は終わり、皆クラスに戻る。
教室に戻ると、クラスの子たちが集まってなにやら話していた。


「私の家はね、春田食品!世界中で売られているのよ。」

「私は小池モーターの一人娘よ。」
「えっ、あの有名な自動車会社の!?」


うわー…
皆すごい家の出身なんだなぁ…

でも、自分の家柄を自慢するとか
ちょっとついていけないかも…


百合ちゃんは、そんな女の子たちを見て、ため息をつく。


「だから嫌だったんだよねー、この高校。ああいうのばっかりで。」


うわ…
ハッキリ言うんだなぁ…

けど、不思議と嫌な感じはしない。