「お疲れ、夏休みが楽しみだな」


さっきのことを気にしてか、慎吾は遠慮がちに私の肩に手を置いた。


「うん」


椅子から立ち上がり、慎吾を見つめて、


「お待たせ」


邪魔ばかりするから時間がかかっちゃったけど、誘うように慎吾の首に腕を回してみる。


「今夜はどうする?」


慎吾は耳元で甘く囁く。


耳にかかる熱い吐息に、ぞくりとする背中。


体の奥で甘い熱が芽生えた。


「このままうちでも……いい?」


体が熱に浮かされていく。


慎吾と同じマンションで良かったとつくづく思う。


忙しい職業柄、行き来もしやすいし、当直の晩以外はどちらかの部屋で一緒に過ごすことができる。


半同棲?


何だか照れる……。


「もう他に用事はない?」


答えを待たないうちに慎吾の唇は私の首筋を捉える。


もうっ、せっかちなんだから。


これ以上刺激されたら我慢できなくなる。


「んんっ!もうない…」


言い終わらないうちに慎吾は私を抱き上げ、ベッドへと運んで行く。



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