慎吾は私の肩に手を置き、画面を覗き込む。
「部屋から花火が観られるなんていいね?観ながらだってこんなことができるし……」
肩にあった手を胸元に伸ばして……
バッチーーーン!!!!
さすがの私も我慢の限界。
思いっきり手を叩いてやった。
「痛ってぇ!!!!」
痛がる慎吾を睨んで、
「誰が、悪いの?」
怒りを含んだ声で問い質す。
慎吾は顔を強張らせ、
「お、俺です…スミマセン…」
さすがに悪いと思ったのか、素直に謝る慎吾。
他の宿も色々探してみたけれど、あれ以上のものはなくて、
「じゃ、ここに決めるね!」
反省しておとなしくなった慎吾は、無言で頷いた。
必要事項を打ち込んで、
カチカチッ…
カタカタカタ…
静まり返った部屋の中で聞こえるのは、マウスとキーボードを叩く音。
送信!
予約完了の返信メールを確認し、
「よーし、予約完了!」
両手を上げて大きく伸びをした。
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