「あ、これなんてどう?」


ちょっと良さそうな旅館を見つけた。


「どれどれ?」


慎吾は画面を覗き込む。


「豪華懐石料理に部屋風呂付き、しかも源泉かけ流し、どれがいいかな?」


他にもいくつか候補を上げてみた。


「いいよ、ひとみが行きたい所で。俺は一緒にいられるなら何処でもいいから」


慎吾はパソコンに向かう私を後ろから抱き締め、首筋に唇を押し当ててくる。


「あぁっ…ダメ!まだ決まってないでしょ?」


くすぐったくて体を捻って抵抗した。


その後もあれこれと執拗にちょっかいを出して妨害をする慎吾をスルーしながら、


「じゃあこれ!伊豆の温泉で、部屋から花火大会が観られるプランはどう?」


今まで探した中でここが一番かも。


慎吾と泊まるならここがいいかな?



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