医師である前にひとりの人間。


だけど、自分を大切にできない人間が医師なんてできない。


ましてや小さな命を助けることなんて……


そう思ったら、


「……ごめん、なさい…ヒック……」


涙が零れ落ちた。


慎吾は私の隣に座ると、困った様子で、


「泣くなよ」


私の頭をポンポンと軽く叩いた。


そんなに優しくしないでよ。


優しくされると、


「ふぇ~ん」


ますます泣けてきて慎吾の肩に顔を埋めるようにして泣いた。


慎吾はそんな私に呆れることなく、無言で傍にいてくれた。


ひとしきり泣いて、ようやく落ち着きを取り戻した私。


「慎吾がありさ先輩と話しているのを見ていたら何だか苦しくて。仕事上の付き合いだってわかっているのに。
あぁぁぁ!!!やっぱり私って子供だわ!」


本当にバカで、情けない。


仰向けにベッドに倒れ込んだ。



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