「ダメだ!もっと自分を大事にしろ!!!!」
強引に抱き上げられ、部屋の中に連れて行かれた。
「いやぁ、離してぇ!!!!」
慎吾は抵抗する私をベッドに投げ下ろした。
「いったぁーい!!!もっと優しく下ろしてよ!!」
誰のためにこんな気持ちになっていると思っているのよ!!!?
痛む頭をさすりながら、慎吾に鋭い眼差しを向けた。
さすがの慎吾も心底呆れかえった表情で私を見ると、近くにあったタオルを私に投げた。
ぶつかる視線と視線。
どちらも逸らしはしない。
部屋の中に聞こえるのはふたりの息遣いと雨の音。
沈黙を破ったのは慎吾だった。
「お前が風邪をひいて、NICUにいる赤ちゃんに感染したらまずいんじゃねぇの?
感情に流されてばかりいないで、少しはそういうことも考えてみろっての!!!!」
慎吾に言われて気がついた。
感情に流され過ぎて大切なことを見失っていた。
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